子供の目の症状・病気
「細菌・ウイルス・カビ」 などの微生物、「紫外線、ほこり・ごみ・摩擦」 などの物理的刺激、「酸・アルカリ」 などの科学的刺激、「花粉」 などによるアレルギー反応などによって結膜に炎症が起こります。このうち、短期間かつ集団的に発生する結膜の炎症がいわゆる 「はやり目」 と言われるものです。
はやり目は、患者の目からの分泌物に含まれるウイルスによる感染が最も多いため予防が大切です。また、プールで感染することがあるため、プール熱ともよばれます。結膜にブツブツが出来て、咽頭炎による発熱があり、感染してから5日~7日で発病します。
ものもらいには大きく分けて、脂肪が詰まって出来る「霰粒腫」と、脂肪の分泌腺に雑菌が感染しておこる 「麦粒腫」 の2つがあります。
霰粒腫はまつげの生え際にあるマイボーム腺に脂肪が詰まることで、腫れたり白いしこりが出来たりします。腫れてしこりが出来るだけだと痛くありませんが、細菌に感染すると化膿し痛くなることもあります。
麦粒腫はマイボーム腺に脂肪が貯まらなくても、雑菌に感染して腫れる 「内麦粒腫」、マイボーム腺以外の分泌腺に雑菌が感染する 「外麦粒腫」 に分けられます。どちらも、まぶたが赤く腫れあがり、まばたきをした時に痛みをともなう場合があります。痛みを和らげるために針で刺して膿を抜く場合もあります。
ものもらいの治療は病状によって異なりますが、症状が軽い場合は目薬を使い、重い場合は目薬と眼軟膏を併用します。どうしても早く治したい場合、ひどい腫れの場合や、ひどく腫れる危険がある場合は内服薬(抗生物質や抗炎症剤など)も使用します。痛みや腫れが引いても 「しこり」 が残っている場合、一ヶ月以上継続して薬を使用する場合もあります。
症状が治まらない場合、切開をすることもありますが、糸で縫う必要があったり、傷口がふさがるのに時間も必要なため、まずは薬での治療をおこないます。
一度なってしまうと、なかなか面倒なのが「ものもらい」です。
一般的に、「さかさまつ毛」や「さかまつ毛」と言われますが、「眼瞼内反症」・「睫毛内反」・「睫毛乱生」と言う病名が付いています。通常まつ毛は、まぶた(眼瞼)の縁から生えて外側を向いていますが、「さかさまつ毛」は黒目の方に向かって生え、眼球を傷つけてしまっている状態です。
まぶた全体が内側を向いているのが「眼瞼内反症」で、まぶたには問題がなく、まつ毛(睫毛)のみ内側に向いて生えているのが「睫毛内反」や「睫毛乱生」です。先天性と後天性があり、後天性の場合は外傷や病気、加齢によるものが多いです。
治療法として、自然治癒が見込める場合、点眼治療で様子をみることがあります。黒目の傷が瘢痕化し自然治癒が見込めない場合は、混濁を引き起こし視力低下の原因となりますので手術が必要です。
鼻涙管閉塞(涙目)になると、涙道の中で涙がうまく循環しないため細菌感染する場合があります。症状として、「涙目」や「目やにが多く出る」といったものも見られます。また、生後1~2ヶ月の乳児に多い 「新生児結膜炎」 という病気もあります。
しかし、新生児結膜炎はまぶたが赤く腫れたり、結膜の充血などの症状も併発します。鼻涙管閉塞の検査として、涙道通水試験というものがあります。これは涙点から生理食塩水を注入し涙道がうまく機能しているかを調べます。涙道がうまく通っていれば生理食塩水は鼻腔内に排出されますが、鼻腔内に排出されず、涙点から逆流するようであれば鼻涙管閉塞と診断されます。
また、逆流する生理食塩水の中に粘膜や膿が多い場合は、「涙嚢炎」 になっている場合があります。
鼻涙管閉塞の治療は、涙嚢マッサージをおこないます。目頭が来る、鼻の付け根あたりを指で軽く圧迫するようにマッサージをしてください。1日3~4回程度マッサージを行い、その後場合によっては抗生物質の点眼します。このような涙嚢マッサージと点眼だけで鼻涙管が自然に開通することがあります。
また、マッサージ治療の間も涙管通水検査をおこなってください。涙管通水検査は検査だけでなく、通水することで自然開通の助けにもなります。症状が改善しない場合は、 「涙道チューブ留置術」 や「鼻涙管開放術(ブジー)」 などをおこなうこともあります。