心因性・ストレスによる視力低下

子供の目の症状・病気

心因性・ストレスによる視力低下

日常生活の中で心理的あるいは社会的なストレス(例えば、学校でのイジメ、親との死別、離婚など)が原因で、身体のどこかに症状が出てくる病気のことを「心身症」とよび、目の心身症は「眼心身症」といいます。

眼心身症のひとつに「心因性視覚障害」があり、心因性視覚障害の中でも最も患者が多いのは視力の低下で、「心因性視力障害」とよんでいます。また、視力だけでなく視野の異常として、視野検査で測定しているうちに視野の見える範囲がどんどん狭くなっていく「螺旋状視野」や見える範囲が極度に狭くなる「求心性視野狭窄」などもよくみられます。

心因性・ストレスによる視力低下イメージ

心因性障害の近視や遠視、乱視は、検査しても眼球自体に悪いところはなく、メガネをかけても視力は回復しません。このような視力障害は小学生や中学生などの子どもに多くみられます。

検査(心因性・
ストレスによる視力低下)

小学校の3~6年生で最も多い視力低下の原因として、近視や遠視などの屈折異常が挙げられ、その場合、メガネをかければ視力が回復します。しかし、メガネをかけても視力が回復せず、眼球や視神経にも何も悪い所がない場合、心因性視力障害を疑います。
眼球は、視力検査や屈折検査で調べることができますが、視神経は眼球の後方から大脳の視覚中枢までつながっておりますので、直接観察することはできません。
そのため、場合によっては「頭部X線撮影」や「コンピュータ断層撮影(CT)」をおこなうことがあります。

治療(心因性・
ストレスによる視力低下)

心因性視力障害の治療法として、まずストレスの原因を取り除くことが大切です。そのため、治療はお子さんだけでなく親も一緒に受けることをおすすめします。
心理的な病気のため、基本的にはメガネやコンタクトなどでの治療はおこないませんが、子どもの不安をやわらげるために、点眼薬や薬剤を使用する場合があります。

ストレス原因の解決が難しいものも多いため、学校の先生などと連携して長期的に経過をみることが必要です。眼科的には異常はありませんので、ほとんどのお子さんが良くなります。心因性視力障害は、子どものある時期におこる一時的な現象ですので心配しすぎないようにしましょう。

子供の目のことをもっと知ってほしい人 谷脇 祥徳(みなとクリニック(旧みなと眼科クリニック)院長・眼科医)
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